不動産売買契約の解除ができるのはどんなケース?
不動産の売買契約を締結した際に、事情の変更、契約違反、他に良い物件が見つかったなど、様々な理由から不動産売買契約を解除したいと考えることがあります。
不動産売買契約を解除すると、支払い済みの代金の返還を求めることができ、また、契約は当初にさかのぼって、なかったものとして扱われます。
また、不動産売買契約の解除には違約金が発生する場合もあります。
このページでは、不動産売買契約の解除ができるケースについてご紹介します。
不動産売買契約の解除ができるケースとは
不動産売買契約を解除できるケースとしては、以下のものが考えられます。
- 合意解除
以下のように買主に解除権が発生している場合のほか、契約は当事者双方の合意によるものであることから、同様に合意によって解除をすることができます。
合意解除に際しては、契約解除のほかに違約金の支払いなど、条件が決められることもあります。
それらを含めて、解除したことを書面にして残しておく必要があります。
- 契約違反による解除
不動産売買契約書に定められている相手の義務に違反があった場合には、その義務の履行の催告を求めたうえで、相当期間(通常は2週間程度)の経過をもって契約を解除することができます。
例えば、代金の支払いをしたのに、売主が不動産を引き渡さない場合などが挙げられます。
義務の履行が不能に陥っている場合には、催告をすることなく解除することができます。
- 契約不適合責任による解除
不動産売買契約の対象となった不動産の引き渡しを受けたものの、契約内容と異なる不動産であることが判明した場合で、その契約不適合によって契約の目的が達せられないと判断される場合には、買主は契約を解除することができます。
もっとも、土地の面積が足りない場合には、本来の面積が契約の内容となっており、代金をその面積によって算定しているなどの事情が必要となります。
- 手付放棄による解除
不動産売買契約に際しては、買主から売主に対して一定の金銭が支払われることがあり、これを手付といいます。
手付には、様々な法的性質が考えられますが、特約で排除されない限りは、解約手付という性質を持っており、買主はその手付を放棄すること、売主は手付の倍額を買主に支払うことで、契約の解除を行うことができます。
もっとも、いつまでも手付解除ができるとすると、相手方に不測の損害を与えることがあるため、相手方から「履行の着手」があった場合には、手付解除はできません。
履行の着手には、売主からの所有権移転登記の申請や、買主の代金の一部の支払いなどが含まれます。
- 消費者契約法による取消し
売主が不動産会社などの事業者であり、消費者である買主が、売主から事実と違う情報を伝えられて購入した場合には、買主は契約を取り消すことができます。
同法は消費者の保護を目的とした法律であるため、売主に誤情報であることの認識は不要とされています。
- クーリングオフ制度による解除
不動産売買契約には、クーリングオフが適用され得ます。
「売主が宅建業者」であり、「事務所等以外の場所で契約が締結された」場合には、クーリングオフを使うことができ、買主がクーリングオフ制度について告知された日から8日以内であれば解除することができます。
不動産トラブルにお困りの方は紫葵法律事務所までご相談ください
高額・重大な不動産を対象とする売買契約においては、契約解除の機会が比較的多く与えられており、自身の利益を守るために、これらの解除権があることを認識していることは重要といえます。
もっとも、不動産に関するトラブルは多くなっており、また、動く金額も大きいため、適切に自身の利益を保護しなければ、損害も大きくなります。
不動産に強い弁護士に相談することを強くお勧めします。
紫葵法律事務所では、不動産トラブルを含め様々な法律相談を承っております。
お困りの際には、お気軽にご相談ください。
幅広い法律問題を取り扱う当事務所だからこそ、ご相談者様に納得いただけるご提案をいたします。
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