賃借人の家賃滞納問題|強制退去させる方法はある?
住居の賃貸借契約において、借主が家賃を支払わず、家賃滞納がされている場合、強制退去により借主を住居から退去させることが可能です。では、具体的にどのようにして強制退去させることができるのでしょうか。
とはいえ、どのような場合に強制退去させることができるのかという明確な基準が存在するわけではありません。
個別具体的な状況により、過去の判例から裁判所が判断しているのが実態です。
まず、長期間にわたって家賃の滞納が存在していることが必要です。単に1、2回の家賃滞納のみでは賃貸借契約解除は認められない傾向があり、判例では、6ヶ月以上の滞納が目安となって解除が認められています。
そして、強制退去が認められるためには、借主に家賃支払の意思がないことが必要です。具体的には、家賃滞納者に対して督促等を行っているにもかかわらず、無視されているような場合や、そもそも連絡が取れないような場合など、滞納者に支払意思がないと推測されるような事実が必要です。
さらに、貸主と借主間の信頼関係が既に破壊されているような状態が必要です。これについても個別具体的な事情による判断が重要となりますが、貸主が繰り返し家賃支払い督促を行っているにもかかわらず、これが無視されるような場合には信頼関係が破壊されているものと推測されます。一方で、貸主が督促を行っておらず、単に借主が家賃支払いを失念していたような場合や、貸主が無理な督促を行っているような場合には未だ両者間の信頼関係が破壊されているものとはいえません。
以上のように、家賃が滞納された場合に借主を強制退去させるために必要な事実は、判例を基礎として個別具体的な判断が重要となります。
もちろん個人でこれを判断することもできますが、法律の専門家である弁護士であればこれを判例を参考にしながら判断することができます。
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